「団体職員」という言葉を聞いたことがあるけど、実際どんな仕事なのかいまいちよく分かっていない。なんとなくは理解しているつもりだけど、人に説明できる程は理解していないという方は多いのではないでしょうか。
この記事では、多くの方が疑問に感じている団体職員について分かりやすく解説しています。
現役の団体職員である私が例を交えながら、できるだけ簡単に説明していますので、感覚的にも理解できるかと思います。また、団体職員と公務員の違いについても説明しています。
この記事を読み終われば、団体職員というものが何なのかという疑問が解消でき、友人や知人との会話でも実際の仕事のイメージが湧きやすくなることができるようになります。そして、就職や転職活動の際、その選択肢の一つとして団体職員を希望するきっかけにもなると嬉しく思います。
団体職員とは

団体職員と聞いて、なんだかざっくりした曖昧な名称だなあと思う方も多いと思いますが、その感覚は合っていて正しい感想だと思います。
というのも実は、団体職員について法律で定められた明確な定義は存在しないからです。
では一体、団体職員とは何なのか?
団体職員とは、非営利組織で働いている職員の総称であります。
もう少し説明を加えると、株式会社などの営利団体や、国家公務員・地方公務員といった公務員以外の非営利組織で働く人のことを団体職員と言います。
組織の特徴としては、いわゆる株式会社といった民間企業とは異なり、営利を第一に追求しない点を挙げることができます。
別の言い方で説明すると、公共のための事業や公的な性格を持っている活動を行う組織に勤めている方々の総称が団体職員になります。
ここでこのような疑問に感じる方もいらっしゃるかと思います。
では、団体職員は公務員なのか?
答えはNoで、団体職員は公務員ではありません。
繰り返しになりますが、営利団体と公務員以外で働いているのが団体職員となります。
公務員との違い

では団体職員と公務員の違いは一体何なのか?
ずばり、団体職員と公務員の違いを一言で表すとそれは「資金源」です。
皆さんご存知だと思いますが、公務員が行う業務は、基本的に国や地方自治体からの出資で、その資金は国税や地方税といった税金で賄われています。一方、団体職員は非営利組織であり、公共のための事業や公的な性格を持っている活動を行う組織でありますが、その業務にかかる資金は事業収入や補助金、助成金、会費収入、寄付金などから得られています。
このように団体職員と公務員では、その資金源に大金違いがあります。
また、公務員として働くには公務員試験に合格する必要がありますが、団体職員の場合は一般的な就活と同様に所属団体の採用試験を受けることが基本となっています。
このように公的な仕事をしているという側面では、団体職員と公務員は似ているような印象を受けるかもしれませんが、資金源という観点からみると大きく違うことが分かります。
しかし、団体職員の業務内容が公務員の仕事に準じていることから、団体職員を準公務員と呼ばれることもあります。これは実際に団体職員として働いてる私の経験からも、そのように言われることが多くあるので多くの方がこのような印象を持っているのだろうと思います。
私自身は一般社団法人に勤めているので、準公務員という表現は間違っているように思いますが、端からみるとそのような印象を受けるのでしょう。
準公務員とは
では、準公務員とは一体何なのでしょうか。
準公務員についても簡単に説明しておきたいと思います。
準公務員とは、もともと国が運営していたものを民営化したものや、電力・ガス、ライフラインなど公共性の高い業務に携わっている人のことを指します。
民営化されたもので記憶に新しいものを挙げると、郵便局に勤める方は準公務員と言えるでしょう。少し昔の例で例えると、JRやNTTも準公務員と表現されたりもします。
ちなみに、農協の職員は団体職員ではあるものの準公務員ではありません。
先程、「私自身は一般社団法人に勤めているため準公務員という表現は間違っている」というような表現をしましたが、この農協の例で理解できるのではないかと思います。
団体職員の例
ここまでの説明で、団体職員というものが何なのか大まかにと理解できたのではないかと思いますので、実際の具体例を挙げて行きます。
これら団体職員の例を見ると分かると思いますが、団体職員とは実に幅の広いジャンルなのです。
以下は、その中でも特に代表的なものを挙げています。
- 独立行政法人
- 公益社団法人
- 一般社団法人
- 学校法人
- 医師会
- 医療法人
- 財団法人
- 宗教法人
- 弁護士会
- 特定非営利活動法人(NPO法人)
- 社会福祉法人
- 政党
- 労働組合
- 商工会
- 農協
- 漁協など
例に挙げたどの団体も社会貢献に繋がる事業を展開している点や公共性の高さが特徴となっており、非常に幅広い事業が該当していることが分かります。
団体職員になるには

団体職員になる方法は、一般的な企業への就職、転職活動と変わりありません。
それぞれ各団体の求人情報をチェックし応募する必要があります。
とは言っても各団体の求人情報をそれぞれチェックすることは困難なため、実際には就職・転職サイトやハローワークを見て求人情報を探し、書類選考や採用試験、面接を受けることになります。
私も転職活動する際は、転職サイトを活用し無事に団体職員として転職を成功できたのですが、実は団体職員や大学職員といった業種、職種の求人が多く募集されている求人情報サイトは限られています。
例を挙げると、マイナビ転職、リクナビNEXT、リクルートエージェント、dodaになります。
もし団体職員になるのを目指すのならば、それぞれ登録しておくことをオススメします。
これらはかつて私が実際に転職活動した際に感じた実体験に基づく情報であり、かつ、今現在現役の団体職員として働いている私の率直な感想です。
というのも実は、上記に挙げたこれら求人サイトから私の勤め先に求人依頼の営業電話が定期的に架かってくるからです。私の職場に架かってくるということは、他の団体にも架電していることはほぼ確実だと思われます。
団体によっては学歴や年齢制限を設けるだけでなく、特別なスキルや資格、あるいは職務経歴が求められたりすることもありますが、こちらは一般的な就職、転職活動と同様に思って問題ありません。
いつの時代も公務員になりたい需要が高いように、同じく団体職員も人気があります。
そのため応募は殺到しがちで、業界に関係なく高倍率の就職、転職活動になる傾向があります。
一つでも多くの求人情報を知っておくことは、これから就職、転職活動を行っていく上で、非常に大切なことだと思います。
まとめ
今回の記事では、具体的な例を交えながら団体職員とは一体どんな組織なのかを説明しました。
団体職員として働いてる人たちが、どのような組織で働いているのかイメージが湧くようになったのではないかと思います。
そして実際に団体職員として働く人と仕事の話をする時や、ご自身が団体職員として働くために就職、転職活動する際、少しでもお役に立てたのなら嬉しく思います。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。