団体職員の仕事は本当に楽なのか?現役の団体職員が解説!

体験談

団体職員の仕事について、巷では「楽な仕事」といった意見や、「定時で仕事を上がれる」といったことがよく噂されているように思います。

この記事を読んでいただいている方の多くも、そのような疑問をお持ちの方なのではないでしょうか。実際、私自身も団体職員として勤める前は、同じような疑問を持っていました。

この記事では、そんな疑問を解消できる内容になっています。なぜなら、現役の団体職員でかつ、これまで幾度となく転職を繰り返してきた私の経験と比較しているからです。

やはり実際に働いてみないと分からないことはあって、契約職員、正職員とさまざまな雇用形態で働いてきた実体験に基づく解説をしています。

この記事を読み終えると、団体職員の仕事が楽なのかどうかだけでなく、団体職員という仕事のイメージも湧きやすくなりますので、是非ご覧ください。

団体職員とは

まずはじめに、団体職員とはいったいどのような職種のことを指すのか、簡単に説明しておきたいと思います。

一言で表すと「非営利組織で働いている職員の総称」になります。
別の言い方をすると、いわゆる株式会社といった民間企業とは異なり、営利を第一に追求しないのが組織の特徴と言えます。

団体職員とは何なのかについて詳しくは、こちらを合わせてご覧ください。
» 団体職員とはどんな仕事?現役の団体職員が例を挙げて簡単解説!

公務員との違いについて疑問に思われた方もいらっしゃるかと思いますが、その辺りについても過去の記事にまとめていますのでそちらを読んでいただければと思います。

団体職員の仕事内容について

次に、団体職員の仕事内容について説明していきます。

言わずもがなではありますが、もちろん団体職員といってもその幅は広く様々な業界、業種と多岐に渡りますが、ここでは事務職としての仕事を例に説明していきます。

事務職にも経理事務や営業事務、人事、法務、総務事務など、様々な種類があるのではないかと思われた方もいらっしゃるかと思いますが、基本的な仕事は全て同じです。

事務職の仕事内容を一言で表すと「誰かのサポート」をすることになります。

例えば、営業職のように会社の業績に直接的に関係するわけではないですが、その社員が円滑に営業業務が行えるよう支援(サポート)することで存在価値を示すことができます。

人事事務でも同様に、新卒・中途採用対象者への連絡、説明会や面接の日程調整にはじまり、採用状況の報告資料作成など人事・採用にかかわる業務をサポートすることで存在価値を示しています。

このように事務職の仕事を「誰かのサポート」する仕事と考えると、団体職員の事務職がどのような仕事になるのかが分かります。

つまり、学校など教育関係の事務職員であれば「学校運営をサポート」することが仕事になりますし、農協の事務職員であれば「農家さんをサポート」することが仕事になります。

自分が就職、転職したい業界団体のサポートをすることが仕事の根底にあると考えると、その中でどのように事務職員として携わっていけるのかが想像が付きやすと思います。

そして、まさにこれこそが団体職員の仕事内容となるのです。

残業の有無について

残業の有無については前述の仕事内容と同様に、団体職員といってもその幅は広く様々な業界、業種と多岐に渡るので一概には言えません。

しかし、一般的な会社勤めの方に比べ総じて低い傾向があります。少なくとも私の経験ではそうなのですが、残業の多い、少ないは目安となる基準も必要だと思いますので、調べてみました。

厚生労働省調査(令和2年度)
1ヶ月あたりの平均所定外労働時間:10.8時間

一般社団法人)日本経済団体連合会の調査
調査期間:2020年4月1日~6月19日
調査対象:491社(対象労働者1,831,478人)
年間の平均時間外労働時間:184時間(1ヶ月平均:約15.3時間

doda調査
調査期間:2020年4~6月
調査対象:15,000人
1ヶ月あたりの平均残業時間:20.6時間

意外に少ない印象に感じた方も多いのではないでしょうか。

あくまでこれらの数値は、会社から申告された数値であり、残業手当として支給された分の時間になりますので、実際の残業時間はもっと多くなるかと思います。

これら結果を踏まえ団体職員の残業時間を考えても、やはり冒頭に述べたとおり、団体職員の残業時間は少ない傾向にあります。

とは言っても団体職員であっても、時間外労働の上限規制である月に45時間以上残業している方はいます。実際、私が大学職員として働いていた頃の上司は月に50時間以上残業してしましたし、こういったことは例え団体職員であっても起こる可能性はあります。

しかし、一般の企業に比べその発生頻度は低く、月に100時間以上の残業といった極端な例も発生しずらい環境にあるのが団体職員になります。

ちなみに私の職場では、月の平均残業時間は確実に一桁です。
私に関しては、ほぼほぼ定時上がりで帰宅しています。

実際、仕事は楽なのか?

結論、仕事は楽です
特にブラック企業などの激務から転職された方にとっては、団体職員という特殊な環境に驚嘆されるのではないかと思います。

そしてなぜ団体職員が楽な仕事なのかを考えたのですが、それは恐らく団体職員として働こうとする職員の多くが「ギラギラ」していないのが影響しているのではないかと私は思います。

「ギラギラ」とは人を蹴落としてまで出世したいとか、バリバリ働いて上司に認められたいといった欲求や熱のことを指します。

団体職員を目指す方は、この「ギラギラ感」が少ないように思います。
どちらかというと、個人成果主義よりも年功序列を好み、コツコツ仕事に取り組む方が多い印象です。

肉食系ではなく草食系であり、多くの人が争ってまで出世したいとも思っていない傾向にあります。
そういった観点からも無理に仕事をする人も少なく、その結果が残業時間の少なさに結びついているのではないかと思います。

ただし注意は必要です。

人の慣れとは恐ろしいもので転職後はあれだけホワイトな職場に感じた環境も、数ヶ月、数年と時が経つにつれてそれが普通になってくるものなのです。

転職前後で変わることについては、こちらを合わせてご覧ください。
» はじめに – 転職前後で変わること

そして、任される仕事もだんだん責任の重いものへとシフトしていきます。
また別の記事で書きたいと思いますが、団体職員特有の辛い点もあります。
それでも仕事量を考えると、一般企業に比べかなり楽だと言えると思います。

もちろんその団体や所属部署、上司との関係によっても仕事の量は変わりますが、一般的な企業に比べて楽な傾向であるのは間違いないと思います

団体職員年収例まとめ(各種)

国立大学法人の年収例

北海道地方
北海道大学 北海道教育大学 室蘭工業大学
小樽商科大学 帯広畜産大学 旭川医科大学
北見工業大学
東北地方
弘前大学 岩手大学 東北大学
宮城教育大学 秋田大学 山形大学
福島大学
関東地方
茨城大学 筑波大学 筑波技術大学
宇都宮大学 群馬大学 埼玉大学
千葉大学 東京大学 東京医科歯科大学
東京学芸大学 東京外国語大学 東京農工大学
東京藝術大学 東京工業大学 東京海洋大学
お茶の水女子大学 電気通信大学 一橋大学
横浜国立大学 政策研究大学院大学 総合研究大学院大学
中部地方
新潟大学 長岡技術科学大学 上越教育大学
富山大学 金沢大学 福井大学
山梨大学 信州大学 静岡大学
岐阜大学 浜松医科大学 東海国立大学機構
愛知教育大学 名古屋大学 名古屋工業大学
豊橋技術科学大学 北陸先端科学技術大学院大学
関西地方
三重大学 滋賀大学 滋賀医科大学
京都大学 京都教育大学 京都工芸繊維大学
大阪大学 大阪教育大学 兵庫教育大学
神戸大学 奈良教育大学 奈良女子大学
和歌山大学 奈良先端科学技術大学院大学
中国・四国地方
鳥取大学 島根大学 岡山大学
広島大学 山口大学 徳島大学
鳴門教育大学 香川大学 愛媛大学
高知大学
九州地方
福岡教育大学 九州大学 九州工業大学
佐賀大学 長崎大学 熊本大学
大分大学 宮崎大学 鹿児島大学
鹿屋体育大学 琉球大学

大学共同利用機関法人の年収例

人間文化研究機構 自然科学研究機構
高エネルギー加速器研究機構 情報・システム研究機構

放送大学の年収例

放送大学学園

独立行政法人の年収例

国立特別支援教育総合研究所 大学入試センター 国立女性教育会館
国立科学博物館 国立美術館 教職員支援機構
日本学術振興会 日本スポーツ振興センター 日本芸術文化振興会
日本学生支援機構 国立高等専門学校機構 大学改革支援・学位授与機構
国立青少年教育振興機構 国立文化財機構

国立研究開発法人の年収例

物質・材料研究機構 防災科学技術研究所 量子科学技術研究開発機構
科学技術振興機構 理化学研究所 宇宙航空研究開発機構 JAXA
海洋研究開発機構 日本原子力研究開発機構

転職活動中の方へ

転職活動は準備が重要です。
そして転職活動ができる環境づくりが大切です。

以下の記事には、団体職員になるにあたって、転職活動する前に準備するべき4つのことについて解説しています。団体職員に転職したい方は、是非ご覧ください。

» 団体職員になる!転職活動する前に準備するべき4つのこと。

転職活動はいかに準備しておき、タイミングを逃さないかがカギになります。
気になる求人が出れば、すぐ動けるように準備しておきましょう。

まとめ

今回の記事では、「団体職員の仕事は本当に楽なのか?」について説明をしました。

団体職員と言えどその仕事の幅は広く、様々な業界、業種と多岐に渡りますが「業界団体をサポート」する仕事とイメージすることで理解ができたのではないでしょうか。

また、団体職員はなぜ残業時間が少なく、仕事が楽なのかということも今回の記事を読むことで理解ができたのではないかと思います。

もし本当に団体職員になりたい場合は、なぜ仕事が楽なのかという根本的な点や、たとえ楽な仕事でも何年も経つとその環境が普通になるといった注意点についても理解した上で、就職や転職活動を進めていただけると嬉しく思います。

入職後にできるだけネガティブなギャップに悩まされないよう応援できれば幸いです。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。

団体職員の募集が多い求人サイト

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