団体職員を目指し就職、転職したいと思った時、その仕事をするにあたって一体どんな能力が必要なのか疑問に思ったことはありませんか。
今回の記事はそんな疑問を解消する内容となっています。
はじめに言っておくと、団体職員に必要な能力はたった5つです。
この5つの能力さえあれば仕事はできるし、上司や同僚から一定の評価も受けることが可能です。
もちろん難解な数式を解く必要もございません。
この記事では、そんな団体職員に必要な5つ能力について解説し、分かりやすくまとめています。
加えて、なぜその能力が必要なのかについてもそれぞれ例を交えて説明していますので、これから団体職員を目指す方は是非ご覧下さい。
団体職員に必要なたった5つの能力とは

はじめに結論を述べると、以下5つの能力が団体職員に必要なたった5つの能力です。
ちなみに団体職員と言っても、その幅は広いのでここでは事務職員を想定しています。
- PCスキル
- 作業の正確さ
- 責任感
- 誠実さ
- 調整力
見て分かるとおり、何一つ特別な能力はなく、ごく一般的な力が備わっているだけで団体職員(事務職員)の仕事はできます。
団体職員と言われるそのほとんどの仕事において、TOEICで800点以上取れる必要もなければ、高学歴である必要もまったくございません。
団体職員だからといって特別な能力は一切必要なく、どんな仕事でも必要とされる基礎的な能力が備わっていれば何も問題はないのです。
しかし、この当たり前である5つの能力こそが団体職員として働く上で非常に重要かつ必要な能力にもなります。それでは以下、一つずつ説明していきます。
PCスキル

まず、PCスキルですがパソコンが触れなければ仕事をすることは困難です。
しかしここで勘違いしてほしくないのが、何もPC全般に特別詳しい必要はありません。
ごくごく一般的なPCの使い方ができれば、なにも問題ありません。
Microsoft Word、Excel、PowerPointが使えれば良いです。
Wordであれば、文字入力と表作成、図・写真の挿入ができればひとまず仕事に支障はないでしょう。あとは、その都度Googleで検索して調べながら覚えていけば何も問題ありません。
Excelも文字入力と表の作成、簡単な関数処理ができれば何も問題ありません。
関数処理といっても、SUMとAVERAGEが出来ればあとは応用するだけなので簡単です。
PowerPointについては、基本的にプレゼン資料をつくるためのソフトなのですが、細かなテクニックを覚えるよりも、どのように分かりやすくシンプルに資料をつくるのかを勉強された方が良いです。
参考までにおすすめの本を紹介します。一つは社内プレゼン用、もう一方は社外プレゼン用です。
ソフトバンクで孫正義さんから何度も「一発OK」を勝ち取った、著者:前田鎌利さんのプレゼン術が詰まった書籍になります。
作業の正確さ

作業の正確さは必ず必要です。
これは団体職員に限らず全ての仕事に共通していますよね。
しかし、一般的な会社と比べ団体職員はより作業の正確さが求められるように思います。
というのも、例えば団体職員の中には公的な仕事も多く、その団体にまつわる統計データが広く公開されることが多々あります。
時には、国や自治体、他団体やメディアと連携しながら仕事をすることもあります。
そのような環境の中、その統計データに誤りがあった場合、社内だけでなく日本中、世界中に間違ったデータを提供することになってしまうわけです。
想像しただけでその影響がどれほどのものか理解いただけると思います。
このようなことがあってはならないため、より作業の正確さが求められる仕事になるのです。
責任感

巷では楽というイメージがある団体職員の仕事ですが、仕事に対する責任感が必要です。
もしかすると、一般的な企業に勤めている時比べ、より責任感を感じて働いている方も多いのではないかと私は思います。
その理由の一つは、先程も申し上げたとおり団体職員として公的な仕事に携わることも多いため、社会的責任を果たしたいとどこか根本的な部分で考えているのではないかと思います。
それともう一点、これは団体職員特有の環境だと思いますが、仕事が縦割りなため、それ故に発生する責任感が大きいのではないかと思います。個人的には、この仕事の縦割りが責任感に対して大きな影響を与えているのではないかと思っています。
基本的に各団体組織の職員は少人数であることがほとんどです。
少ない団体では5名以下、10名以下という団体も多く、逆に100名以上の職員が在職している団体というのはかなり稀です。
このように少数精鋭の人事体制で、仕事を行うためどうしても仕事が縦割りになり、その担当者しか分からないという仕事が多々あるのです。
これは私の職場でも同じような現象が起きています。
厳しい言い方をすると責任感を持って仕事に取り組まなければ仕事にならないし、極端な表現をすると誰も助けてはくれないのです。
逆にポジティブに考えると、ある程度自分の思うままに仕事を進められるという利点もあります。
誠実さ

誠実さがあるに越したことないですよね。
また当たり前のことを言ってると、きっと多くの方が思われたことでしょう。
もしくはなぜ、団体職員という職業に誠実さがどのように関係してくるのか疑問に感じられた方もいらっしゃるかと思います。
例えば、団体職員の中には協同組合や商工組合に勤める方もいらっしゃるかと思いますが、このようなケースを例に挙げて説明したいと思います。
協同組合や商工組合では、その組合に加入している会員さんの会費によって運営がされている場合があります。全てではないにしても、その何割かは会費によって組織が存在しているのです。
そうなると当たり前ですが、会員さんとの関係性が非常に重要になってくるのです。
もし職員から誠実さのかけらもない対応された場合、その会員はどのような気持ちになるでしょうか。
その場で怒られる程度ならまだしも、さらにやっかいな場合は人の噂に尾ひれはひれが付いて大きな問題として人から人へと伝わっていくものです。たった一つの言動や行動が、会員脱会の連鎖や団体の縮小、汚名に繋がるなど大きな問題の発展になりかねないのです。
決してイエスマンになる必要はありませんが、単純に面倒だからといった対応ではネガティブな印象を与えかねないので注意が必要です。
調整力

これまで4つの団体職員に必要なスキルについて説明してきましたが、最後に紹介するこの調整力が一番重要なのではないかと私は思います。
ただ調整力と言ってもやや表現が曖昧ですよね。
ここでいう調整力とは、「聞く力」と「伝える力」のことをです。
まだ分かりづらいと思いますので、もう少し噛み砕いて説明したいと思います。
まず「聞く力」ですが、これは「相手から意見を引き出す力」に言い換えることができます。
今相手は何を求めているのか。どんな仕組みやサービスが求められているのか。
もちろん机の上で自分で頭を悩まして考えるのも一つの方法ですが、私の経験ではその答えの多くは現場にあるように思います。
その業界の団体職員でありながら、団体職員事務職員は現場の第一線で働く人ではないのです。例えばJAの事務職員の多くが実際には自分の土地で畑仕事をしていないことを想像するとイメージが湧きやすいのではないかと思います。
農業を生業として生活したことない職員が自分ひとりで想像したとしても限界があります。
そこにはやっぱり現場で働いている、農業を生業にして生活している方の生の意見の中から多くの答えは見つかるはずです。
このように「聞く力」≒「相手から意見を引き出す力」は非常に大切なのです。
次に「伝える力」ですが、これは「わかりやすく説明する力」に言い換えることができます。
団体職員は何かと説明する機会が多いように働いていて思います。
そして、組織が大きい団体であれば全国に支所があるはずなので、その繋がりの多さから自然とやり取りは多く、会議などの集まり事も多くなりがちです。
もし仮に小さな組織の団体であったとしても、必ず同業界の他団体などとの交流はあるためこの「わかりやすく説明する力」は必要になります。
このように「相手から意見を引き出す力」と「わかりやすく説明する力」をうまく使って、業界団体内や自会員の方々と様々な問題について議論し、調整していく必要があるのです。
この調整力こそが団体職員に最も重要な力と言っても過言ではないと私は思います。
まとめ
今回の記事では、団体職員に必要なたった5つの能力について解説してきました。
またそれぞれ実体験に基づいた話を例に交えながら説明をしましたので、イメージが湧きやすかったのではないかと思います。
5つの必要な能力はごく当たり前の力ですが、この全ての力が備わっている方が団体職員としての仕事は円滑に進む傾向があると思います。
逆にこの5つの点に注意して仕事をすれば、同僚や上司から一定の評価を受けることができます。
何も斬新なアイデアや企画力、行動力などはさほど必要ありません。
業界団体が抱える様々な問題の答えは、自分の頭の中から勝手に出てくるものではなく、その多くが現場にあるはずです。
この記事を読んでいただいた団体職員を目指すみなさんには、是非このことを頭の片隅に置いて就職、転職活動をしていただける幸いです。
以上、最後までお読みいただきありがとうございました。
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